困ったときの対処法について

困ったときの対処法

水槽

熱帯魚を飼育していて困ったときの解決方法をお伝えしていきます。

熱帯魚飼育における問題の解決

熱帯魚基礎知識飼育水槽保温器具フィルター底砂照明器具水槽の立ち上げ困った時の対処法

水が白く濁る

これは水槽内に濾過バクテリアが少ないときに起こりやすく、水槽内に有害な物質が増加している場合が多く、このような時にエサを与えるのは大変きけんです。なお、水槽をセットした初期に生じる白い濁りの正体は大増殖した雑菌です。これは濾過バクテリアのいない状態で熱帯魚を入れてしまった場合などに起こります。

こうした場合の対処法としては、まず水がかなり白く濁っている場合は水槽をセットしなおして、水も全部取り替えます。うっすらと濁っているような場合は、2〜3日のあいだエサを与えずに様子をみます。この際、観賞魚用の竹炭を入れておくと、かなりの効果を実感することができるでしょう。

こうして水が澄んできたら、一ヶ月くらいはエサの量をほんの少量にとどめておいてください。エサの与えすぎは熱帯魚にとって様々な悪影響を及ぼします。くれぐれもご用心を。

なお、流木を入れると水が茶色になってきます。これは流木から腐食酸などが溶出するためで、水が真っ黒にでもならない限りは害はありません。熱帯魚の種類によっては腐食酸が熱帯魚の調子を上げ、繁殖のきっかけになることもあります。

熱帯魚が病気かもしれない

熱帯魚も様々な病気にかかります。特に多いのが白点病です。白点病は体に白い点がつきますので、すぐにわかります。急に温度が下がったときなどには特に発生しやすく、こうした時は注意が必要です。治療は簡単で、早期発見を心がけていれば薬品は不要です。まずは10リットルに対して大さじ一杯の食塩を加えて、できるだけ温かくしてあげます。28度から30度くらいが理想です。これだけでたいていは1〜2日で治ります。白いモヤモヤがつく綿かぶり病も同様にして治療します。

体が膨らんだり、ヒレの端が赤く溶け出しているように見える場合は、抗生物質の投与が必要です。熱帯魚用の魚病薬として「尾ぐされ病」「松かさ病」用の治療薬が市販されていますので、これらを規定量つかいます。

なお、水草は塩や薬品に弱いので、病気治療の際には別の容器に移しておきましょう。どうしても水草を移せない場合は、水草に害の少ない魚病薬もありますので、これを利用しましょう。また、エビにとって薬品類は致命的です。熱帯魚とエビを一緒に飼育している水槽に治療のための薬を使う場合は、必ず全てのエビを他の水槽に避難させてあげてください。

熱帯魚の元気がない

まずは水温に注意してみてください。熱帯魚は変温動物ですので、水温がそのまま体温になります。そのため、種類にもよりますが、だいたい20度以下になると元気がなくなり、15度くらいでは水底に横たわってしまいます。こうなってしまった場合、ゆっくりと水温を上げることにより再び元気に泳ぎ出すことも多いので、例え水底に横たわっていたとしても慌てずに温かい部屋に移してあげましょう。なお、お湯などを入れて急激に温度をあげるようなことは絶対にしてはなりません。

逆に温度が30度を越える日が何日も続くと、熱帯魚も夏バテを起こすことがありますので、その際はできるだけ涼しくしてあげてください。

温度に問題がないようでしたら、次は水について考えてみましょう。熱帯魚にはそれぞれ好みの水質があります。水質は大きくPHと硬度に分けられます。PHは酸性かアルカリ性かの指標で、硬度は水中に含まれるカルシウムとマグネシウムの量で、こちらはあまり極端だとエラなどに影響を及ぼします。いずれにしても水道水を使っている場合はほぼ中性のため、一般的な熱帯魚にとってはあまり問題とはなりませんが、井戸水などを用いる場合は、念のためPHと硬度を測っておくと安心です。

さて、水道水から出てすぐの水にPHや硬度の問題がなかったとしても、水質は熱帯魚を飼育しているうちに次第に変化してきます。熱帯魚の排出するアンモニアが変化した亜硝酸塩や硝酸塩が蓄積してくると、これによって徐々にPHが下がる(酸性になる)場合があります。これに酸素不足が加わると二酸化炭素によって更にPHは下がり、これも熱帯魚を弱らせてしまう原因になります。また、それ以前に亜硝酸塩や硝酸塩は熱帯魚にとって危険な有害物質であり、特に亜硝酸塩の増加は熱帯魚の生命を脅かすので十分に注意する必要があります。

これらの問題を解決する一番の方法は水換えです。定期的な水換えによって亜硝酸塩や硝酸塩は減りますし、水道水に含まれる微量元素は水草の栄養となり水草も元気になります。活力を得た水草は水中の有害物質を肥料として吸収してくれたり、光合成がいっそう活発に行われることによって生み出された酸素はPHの下がりすぎをくいとめ、また、十分な酸素は濾過バクテリアを元気にすると共に、多くの病原菌を撃退します。

このようにいかに自然のサイクルを上手に作り上げていくかが熱帯魚飼育のポイントになります。良質なエサと、少なめのエサやり、そして定期的な水換えによって、底砂の有益なバクテリアを育てていけば、やがて調和した水槽は半年以上も水換えせずに良い状態を保ち続けられるようになることもあります。

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