水槽

水槽レイアウトの楽しみ方

水槽レイアウトの楽しみ方について。
やさしい水槽レイアウトの楽しみ方です。初心者の方にもわかりやすく水槽のレイアウトを解説しています。美しい水槽を楽しむためにレイアウトのポイントご説明いたします。

水槽のレイアウトを気にしなかったとしても、ひととおりの飼育用品が備わっていれば熱帯魚やメダカを飼育することができます。ですが、ほんの少しレイアウトを工夫してみるだけで、用意するアイテムは同じでも、見違えるように美しくなります。ここではそんな美しい水槽を作るためにレイアウトのポイントをお伝えいたします。

水槽レイアウトに向いたオプション

水槽レイアウトに使用できるアイテムには、観賞魚の快適な環境作りにも役立つ、まさに一石二鳥のものがいくつもあります。まずはこうしたものから揃えていかれるのがおすすめです。

水草

水槽のレイアウトのみならず、水槽の中に自然のサイクルを再現する上で、水草はとても重要な働きをします。それだけでなく、新芽の元気具合をみることによって、その水槽の状態を把握する手がかりにもなります。こうしたことからも、水槽にはぜひ何かしらの水草を入れることをおすすめします。

水草はほとんどの種類が水槽レイアウトに向いていますが、ひとつの水槽には、成長の早い有茎水草か、成長の遅いミクロソリウムやアヌビアスのような水草か、どちらかに揃えた方が管理は楽です。

たいていの場合、成長の早い有茎水草は新鮮な水と明るい光を好むため、水換えや伸びすぎた水草のトリミング(剪定)など、こまめな手間をかけられる場合の水槽レイアウトにおすすめです。光が弱いと影になっている根元の葉がどんどん落ちていきます。このため、ライトはできるだけ明るいものが向いています。

また、成長の遅いミクロソリウムやアヌビアスは、それほどこまめに水を換えなくても良く、また、弱光でも生育するため、むしろ明るい照明によって葉にコケなどが広がってしまう場合もあります。このため、水槽レイアウトに用いる際には、弱めの照明を一日に8時間以内としておくのが良いでしょう。

流木

自然の河川でも熱帯魚たちの隠れ家となっている流木は、自然な雰囲気の水槽レイアウトを作りたい場合に大活躍します。また、水槽レイアウトに使う以外にも、濾過バクテリアがつきやすく、水道水を弱酸性の軟水にする効果もあるため、特にベタやグラミーのような種類にはぴったりです。また、アヌビアスやミクロソリウムのような水草を活着させることもでき、こうしておけば水換えや水槽を掃除する場合にもたいへん便利です。

流木には様々な種類や品質がありますので用途や予算に応じて選ぶと良いでしょう。水槽レイアウトに向いた流木の選び方としては、すぐ水に沈むこと、アク抜きしてあるもの、などがあげられます。沈むのに時間がかかる流木は何日もの間、石などで水底に固定しておかなくてはなりませんし、アク抜きをしていない流木からは大量の腐植酸が発生します。

腐植酸は少量であれば弱酸性の軟水を好む熱帯魚にとって理想的な水質を再現しますが、アク抜きをしていない流木からは相当な量の腐植酸が発生してしまい、水が真っ黒になってしまうことがあります。こうなるとレイアウトどころではなくなってしまいます。

このため、アク抜きをしていない流木を購入した際は必ずバケツなどに数週間から一ヶ月ほど沈めておくか、あるいは煮沸したり、市販の流木アク抜き剤を使用してアク抜きを行ってから水槽レイアウトに用いる必要があります。

また、枝流木と呼ばれる、細い枝状の流木は、ベタやグッピーなどの大きく長いヒレを傷めてしまう場合がありますので、このような種類の熱帯魚を飼育する場合のレイアウトには枝流木は用いない方が無難かもしれません。

天然石は水槽に野趣をもたらしたり、底砂の地形に変化をもたらすなど、清流をイメージした水槽レイアウトに適した素材です。また、表面がざらざらした溶岩石などは多孔質の濾材と同様に体積あたりの表面積が大きくなりますので、その表面には濾過バクテリアが住み着き、レイアウトに役立つだけでなく、水質の浄化にも一役かいます。

なお、天然石の中には水質を変化させたり、有毒物質が溶け出す種類もあります。水槽レイアウトには、必ず観賞魚用の天然石を用いることが大切です。また、石はたいへん重く、大きな水槽に大量の石を入れると、総重量もたいへんなことになる他、崩れたりした場合には水槽が割れて大変なことになってしまう場合もあります。

大きな水槽でレイアウトに石を用いる場合には、くれぐれも大きさや量、そして、安定した場所へ左右バランスよく配置するよう心がけておきたいものです。

ガラス細工

ファンシーショップなどで販売されている小さなガラス細工も水槽レイアウトに使えます。ガラスをテーマにした博物館や水族館などのお土産コーナーにも可愛らしいガラス細工がいろいろ売られていますので、旅行のついでにこうしたものを探してみるのもまた楽しいものです。

ピューター

金属の中ではピューターの小物がおすすめです。少し入手が難しく、やや高価ですが、流木の近くに配するとコントラストが絶妙で、たいへん趣きのあるシュールな水槽レイアウトを作ることができます。それはあたかも、巨匠マグリットの絵画やオーパーツ、モノリスなどが思い浮かぶような世界です。

きれいにレイアウトするためのポイント

水槽レイアウトでもっとも基本となるのは底砂です。砂の色や種類を変えるだけで、水槽の印象は全く違ったものになりますので、作りたいレイアウトに合わせて、お好みの底砂を選ぶと良いでしょう。

幾何学的であったり左右対称の水槽レイアウトを作りたい場合には底砂は平らに敷きます。こうして背景の個性をなくすことで熱帯魚や水草をより引き立たせることもできます。また、奥にいくほど砂を厚くしていくのも底砂を敷く場合の基本です。これにより奥行き感を作ることができますし、実際の底面積も広くなります。

水槽全体を楽しみたい場合には、左右どちらかの砂を盛り上げたり、あるいは中央だけ谷のようにすると、たいへん変化のある水槽レイアウトを作ることが出来ます。特に淡水エビのように底や壁を歩く生き物には活動空間が広がることにもなり、何より見ていてとても楽しい水槽になります。

溶岩サンドのような底砂なら、ある程度の起伏を作っておけば、それなりに地形を保ちますが、細かい砂ではすぐに平らになってしまいます。そのため、流木や石などで砂をせきとめてレイアウトすると良いでしょう。

ガラス細工やピューターの小物は、砂の上に置くと重みで沈んでしまうことがあります。この場合は水草用のピンセットでそっと引っ張り上げるか、流木や石の上などに置きます。特にピューターは流木との対比が素晴らしいので、流木の近くに置くと美しい水槽レイアウトに仕上がります。

透明で軽い小さなガラス小物なら、アヌビアスやミクロソリウムなどのしっかりした大きな葉の上に乗せても、楽しい水槽レイアウトになるでしょう。