熱帯魚の底砂について

熱帯魚の底砂

水槽

熱帯魚の飼育に使われる底砂についての解説です。

底砂を選ぶポイント

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底砂について

大型熱帯魚やディスカスなどのように頻繁な水換えによって水質を維持する場合は、メンテナンスのしやすさからあえて底砂を敷かないベアタンクでの飼育が一般的ですが、そうした特別な事情がない限りはできるだけ底砂を敷いての飼育をおすすめします。熱帯魚の飼育において底砂は、様々な恩恵を与えてくれる重要な飼育用品のひとつなのです。

底砂は熱帯魚を飼育している限り水中に絶えず増え続ける窒素酸化物の毒性を速やかに弱めてくれる濾過バクテリアの住み家となります。水草を植えるにも重要ですし、底砂の色や大きさによってレイアウトの雰囲気も全く変わってきます。また、底砂の中には水質を変化させるものがあります。熱帯魚の種類に合わせて底砂を使い分けることができれば、より快適な環境を与えてあげることができるでしょう。

底砂の種類

熱帯魚水槽に使われる底砂は材質によってPHや硬度を変化させるものがありますので、熱帯魚の種類によっては相性が良くない場合もあります。ここではそんな話も織り交ぜながら、底砂の種類について解説していきたいと思います。

砂利

熱帯魚水槽の底砂として最もポピュラーで古くから使用されているのが砂利です。ひと口に砂利と言っても、粒の大きさや色合い、質感も様々で、好みによって選んでも差し支えないでしょう。砂利は基本的に水質に及ぼす影響の少ない底砂ですが、鉄分を多く含んだものや、硬度を上げるものなど、石質によっては多少の水質変化を及ぼす場合もあるようです。ところで以前は熱帯魚水槽の底砂といえば大磯砂利が主流でした。この砂利は特に小型アナバンティッドの繁殖に適した砂利でしたが、現在では採取禁止となっているため、よく似た代用品が用いられています。

サンゴ砂

海水魚水槽にはなくてはならない白い底砂です。主にサンゴの骨格で出来ており、成分は石灰質です。このため、硬度を上げると共にPHをアルカリ性に傾ける性質があります。こうしたことからアフリカンシクリッドのようにアルカリ性の硬水を好む熱帯魚には最適で、逆にベタやラスボラなどの弱酸性の軟水を好む熱帯魚には不向きです。

ソイル

ソイルは土で作られた砂利で、池や沼の底に近い酸性土壌を作り出します。石質の砂利に比べて軽く柔らかく、水草の根を傷つけることもありません。土壌だけでなく水質も酸性の軟水に傾けるので、多くの水草にとって理想的な底砂と言えるでしょう。使用していくうちに少しずつ崩れてきますし、水草も土壌に含まれる微量元素を吸収しますので、頃合いをみて新しいソイルと入れ替えてあげます。品質によっては極端なPHの低下を招く場合がありますので、熱帯魚水槽の底砂として使うのであれば、購入の前によく確認する必要があります。また、アルカリ性を好む熱帯魚には使えない底砂です。いずれにしても多少くせのある底砂ですので、初心者の方は避けておいた方が無難かもしれません。

天然石水槽
溶岩サンドを使用した天然石水槽

溶岩サンド

多孔質の濾材によく似た構造を持つ、極めて濾過能力の高い理想的な底砂で、自然の川底のような雰囲気の水槽を作りたい場合にはうってつけです。

熱帯魚は底面が白っぽいと色が褪せてしまう傾向がありますが、溶岩サンドを敷くと落ち着いた暗色の底床を作り出すことができ、熱帯魚にもより深みのある色彩を期待できるでしょう。

人工砂

色とりどりのガラスやプラスチック、セラミックなどで作られた美しい人工砂も古くから使われています。自然には存在しない底砂ですが、実は水質に影響を与える心配がないという点で、あらゆる熱帯魚に安心して使用することのできるというメリットもあります。

濾過能力は高くありませんが、ビー玉などもグラスキャットなどの透明な熱帯魚には特によく似合う底砂です。

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